2010年08月29日

初代ウルトラマン

最初から「初代」と名乗っていたわけではありません。

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「ウルトラマン」の放送が始まったのは、1966年7月のことでした。
当時まだ私は生まれてまもない頃だったので、本放送を見た記憶がありません。
最初にウルトラマンシリーズを見たのは、第二期シリーズの「帰ってきたウルトラマン」でした。

なので、帰ってくる前の、初代ウルトラマンは再放送でしか見たことがありません。70〜80年代頃は、衛星放送などもなかったので再放送の機会が少なく、「今ウルトラマン再放送してるよ」と友達に言われて気がついた時には、既に最初の数話は放送が終わっていることがしばしばありました。

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ですので、私は記念すべき「ウルトラマンの第一話」を子供時代に見たことがありませんでした(実は社会人になってから初めて見ました)。
そんな関係で、そもそも「何故ウルトラマンは地球に来たのか?」という命題は、長い間私にとっては謎でした。
このblogを訪れてくれる皆さんも、よほどの特撮マニアでない限り、ウルトラマンが地球に来た経緯をご存じないと思われますので、第一話「ウルトラ作戦第一号」から簡単に解説してみましょう。

科学特捜隊の早田隊員(演:黒部進)は、ビートルという飛行機(=おそらく、当時人気だったビートルズにあやかって命名されたと思われる)に乗って、偵察飛行をしていました。すると突然、目の前に謎の青い球が飛行しているのを見つけます。それを追って飛行中に、今度は別の赤い球がビートルに激突し、早田は墜落してしまいます。
三途の川を渡る直前の、朦朧とした意識の中に、不気味な怪人が「フォッフォッフォ」と笑っています。
「あんた一体誰だ!」
叫ぶ早田隊員の胸に、怪人は、ぼてっと太い万年筆のようなものを落とします。
「何だこれは!」
と質問する早田隊員に、
「フォッフォッフォ、そのうちわかる」
と、説明責任を果たさないまま、怪人は消えます。倒れていた早田隊員は奇跡的に一命を取りとめ、科学特捜隊に復帰します。

この「怪人」こそが、ウルトラマン(演:古谷敏)だったのです。しかし、これだけ見たのでは、「自分の不注意でハヤタを死なせてしまったことに責任を感じたウルトラマンは、ハヤタに自分の命を分け与えて一心同体となり、地球に残ってともに地球の平和を守ることを誓った。」のだとは、誰も気がつかなかったことでしょう。

そもそも、「誤って殺してしまった生き物に自分の命を分け与えて一心同体になる」という発想そのものがかなり変です。
たとえば私が、誤って蟻を踏み潰してしまったと仮定しましょう。責任を感じた私は、潰れた蟻に変身用アイテムを渡し、
「私が悪かった。私の命を分け与えて一心同体となり、蟻の巣の平和を守りましょう」
とか言いながら、普段は蟻の姿で、有事の際は人間の姿に戻って蟻のために働く。なんてことを考えるでしょうか。私がどんなに生き物に慈悲深かったと仮定しても、絶対にそんなことをしようとは思いません。
ウルトラマンにしろ鳩山前首相にしろ、宇宙人の考え方というものは本当に理解しがたいものがあります。

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ついでに、「ウルトラマン」の登場人物を、早田隊員とウルトラマン以外にも幾人か紹介しておきましょう。

・村松隊長(演:小林昭二)科学特捜隊の隊長。別名キャップとも呼ばれる。職場は分煙化が徹底していないのか、いつもパイプをふかしている。禁煙が常識な今日では、「子供に喫煙の悪影響を与える」という理由で放送禁止になっていたかもしれない。苗字だけで、名前はない。
・嵐隊員(演:毒蝮三太夫)科学特捜隊の隊員。この人だけはスパイダーショットという武器を使う。当時人気だった堺正章の「スパイダース」にあやかって名づけられた兵器らしい。隊員規則を忘れやすい性格なのか、時々「科学特捜隊の誓い第4条」を復唱している。苗字だけで、名前はない。
・井出隊員(演:二瓶正也)科学特捜隊の隊員。宇宙語を翻訳できる天才だが、おっちょこちょい。4次元空間内で、ポリバケツを頭にかぶって踊るのが特技。苗字だけで、名前はない。
・藤昭子隊員(演:桜井浩子)科学特捜隊の隊員。旧式コンピュータが穿孔する紙テープを解読するのが得意。時々巨大化する。この人だけはちゃんと下の名前がある。
・星野君(演:津沢彰秀)科学特捜隊敷地内に不法に立ち入る子供。早田隊員が変な道具を愛用していることを知っている。
・バルタン星人 第2話で、早々に敗退したのに、性懲りもなく第16話にも出てきて再戦した宇宙人。だが本当は、平和的に地球人と共生しようと考えていたのにウルトラマンに宇宙船ごと滅ぼされた可哀相な人。地球のスポーツの知識に強く、帰ってきたウルトラマンに登場した際は「野球はまだ一回の裏だ」と語っていたが、じゃんけんには弱く、いつもグーに負ける。
・ダダ 第28話に登場。ダダイスト。芸術家。ウルトラマンはもちろん、村松隊長よりも弱く、ビルから突き落とされそうになる。上司に出張先の地球での処遇に不満を訴えるも却下されて殉職。ダダの末路を嗤った子供たちが、大人になってまさか自分もダダと同じ目に遭うことになろうとは誰も予想できなかった。
・岩本博士(演:平田昭彦)科学特捜隊お抱えの科学者。東大法学部卒。ペンシル爆弾など、物騒な兵器を秘密裏に開発している。夫人は女優の久我美子。

他にも幾人か準レギュラーがいるそうですが、私の乏しい知識の範囲内ではここまででご容赦ください。

ウルトラマンは、鉄火面のような顔をしていることで知られていますが、当初は口の部分が動くように作られていたそうです。
必殺武器「シルバーヨード」という、粘液のようなものを口から吐いて、怪獣を倒す、というのが当初の設定だったそうです。
もしスペシウム光線の代わりにシルバーヨードが最終兵器であったとしたら、当時の子供たちの間で唾吐きごっこが流行したことは間違いないでしょう。
幸い、口を動かすギミックがうまく作動しなかったためにこの設定は没になり、子供達の間で唾吐きごっこが流行せずに済んだことは、歴史に示すとおりです。

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初代ウルトラマンの地球訪問のあと、ウルトラマンの弟と名乗る角の生えた奴やら父やら母やら妹やら親戚やら血のつながりはないけど他の星から来た奴やらタイの白い猿やらが、初代ウルトラマンの縁故を頼って続々と地球に押し寄せることになろうとは、早田隊員はもちろんのことウルトラマン本人も予想していなかったことでしょう。

(本文と写真は関係ありません)
posted by シモン at 06:00| 東京 ☀| Comment(8) | TrackBack(0) | TVと映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ウルトラマンの本放送は、私の生まれる前でしたので、やはり再放送を見ました。但しこの頃になるとウルトラ父母の実子とか元々一族でない子とか初代の地球再赴任とかの再放送もやっていて繋がりが全く理解出来ませんでした。また何度も再放送されると言う事が人気作の証と言う事については、小学校に上がって初めて感覚で覚えました。
Posted by HB at 2010年08月29日 10:00
シモン様
お詳しくないと謙遜されながら、登場人物紹介は結構ツボを押えられてますね。
巨大化するフジ隊員、ポリバケツで前が見えなくなるイデ隊員、等。
特にアラシ隊員の「科学特捜隊の誓い第4条を復唱する話」は、結構泣けます。
Posted by ラー at 2010年08月29日 10:22
みなさんはご存知ないと思いますが、ウルトラマンの本放送では「カラー」とテロップが誇らしげに出ていたんですよ。
Posted by バカボンのパパ at 2010年08月29日 15:14
みなさんコメントありがとうございます。

HBさん
時系列で最初から見ていかないと「ウルトラ兄弟」(一族)のつながりは理解しがたいものがありますね。
再放送=人気の証、確かにそうですね。と思いながら刑事コロンボ見ています。

ラーさん
嵐隊員が科特隊の誓いを復唱する話は、「撃つな嵐」というタイトルでした(確か

バカボンのパパさん
ウルトラQは、白黒でしたよね。逆に白黒だから、怖かったのでは?
天然色が当然の現代、あえてモノクロ撮影したドラマも面白いかもしれませんね
Posted by シモン at 2010年08月30日 20:31
本放送は民放が一局しかなかったので見れませんでした。三年遅れて放送が始まった時はまだ幼稚園でよくわからずに怖かった事だけは覚えています。京都の大学へ行った時、始めて全話再放送で見ました。その面白さに夏休みを全部バイトしてビデオを買って録りまくりました。
尚、隊員のフルネームを蛇足ですが書き記しておきます。
「ハヤタ・シン」「ムラマツ・トシオ」「アラシ・ダイスケ」「イデ・ミツヒロ」「藤明子」「星野勇」です。
Posted by SS at 2010年09月28日 21:06
SSさん
コメントありがとうございます。
そうですか、村松や嵐、井出、星野君にもちゃんと下の名前があったんですね。劇中では語られなかったように思います。
昔は民放が一局とか二局とかの地域が多かったですね。その頃の方がテレビも面白かったです
Posted by シモン at 2010年09月29日 19:21
連続投稿失礼します。&本文と関係ないのですが・・・

うーん、懐かしいですね。
縦ラインのハイソックス。
秀才っぽい男子がふつーにこういうハイソックスを履いていた時代。
ちょっと、トラウマ的なものを感じてしまいます。(^^)
微ゑろに納得?^^;
Posted by 柏木 at 2012年05月26日 08:28
柏木さん

男子のハイソックス、私が小学校の頃ですがいましたね。
もっと古くなると小学生が紺の通勤ソックス履いてたりしますがw

微ゑろは、世の中すべてのものに存在し得る・・かもしれません
Posted by シモン at 2012年05月26日 13:01
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