2010年09月16日

時間旅行

「時間旅行」をテーマにしたSFは数多くあります。

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「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也」と松尾芭蕉が奥の細道に書いたように、我々人類は元々、過去から未来に向かって現在を旅する「時間旅行者」です。
しかし、その一方向的で一定速度の旅行に飽き足らず、過去に遡ってみたり、あるいは未来へ大きくワープしたりする願望が人間にはあり、そういった願望が「タイムトラベル」というSF作品となって多く世に出ています。
実際人間というもの、未来という方向に向かって前向きに歩き続けているだけなのは結構疲れるもので、私のこのblogも20数年前の80年代という過去を回顧することで息抜きをしている、という要素が多分にあります。

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今日は、そんな「時間旅行」を扱った作品(小説、漫画、映像作品)をいくつか振り返ってみたいと思います。

1.小説

・タイム・マシン(H・G・ウェルズ著):時間停止小説の古典。主人公は「時間旅行者」と名乗る科学者で、紀元802701年の未来に降り立つ。そこには、エロイという人種(別に特別ゑろいわけではない)と、モーロック(別に耄碌しているわけではない)という二つの人種に分かれた、いわば「勝ち組と負け組」の世界だった・・・。

・タイム・パトロール(ポール・アンダースン著):タイムマシンによって因果律が捻じ曲げられ、歴史の教科書が書き換えられてしまうことを防ぐために、敢然と悪に立ち向かう時間管理人ことタイムパトロールたちの勇気を描く。

・時をかける少女(筒井康隆著):ある日、ラベンダーの香りを嗅いだために時間を自由に旅行できるようになった芳山和子は、幼馴染だと思っていた深町が、実は未来人だったと知る。NHK少年ドラマシリーズにTV化され、原田知世主演で角川映画化された名作。

・七瀬ふたたび(筒井康隆著):「時かけ」(=時をかける少女の略称)で味をしめた筒井康隆が再び書いた時間旅行小説。七瀬は時間旅行だけでなく読心術にも長けた超能力者で、同類の超能力者同士で戦いの日々を送る。

・タイムライン(マイケル・クライトン著):14世紀のフランスで、行方不明の歴史学者を追うサスペンス時間旅行。コペンハーゲン学派に飽き足らない量子力学の「エヴェレットの多世界解釈」によるパラレルワールドを前提としている。

2.漫画

・漂流教室(楳図かずお著):ある日、平凡な小学校が何者かの地下爆発の衝撃で未来に飛ばされる。そこは荒廃し、怪奇な生き物が生息する世界だった。ここで小学生たちは壮絶なサバイバルを始める・・・。「まことちゃん」と同じ作者が描いたとは思えない凄絶な漫画。

・ドラえもん(藤子・F・不二雄著):先祖であるのび太のあまりのふがいなさに業を煮やした子孫が、机の引き出しから猫型ロボットを過去の世界に送り込む。だが手違いで、耳の部分が欠落していた・・・。多くの感動を生んだ世界的名作漫画。

・犬夜叉(高橋留美子著):現代の女子中学生である日暮かごめは、古井戸を通って500年前の時代と行き来する。いつも同じ制服を着ている。

・JIN-仁-(村上もとか著):ある脳外科医が、幕末の日本にタイムスリップ。勝海舟、緒形洪庵、坂本龍馬などと出会いながら近代医療技術で次々に人を救っていくのだが・・・。

3.映像作品

・戦国自衛隊(角川映画):陸上自衛隊が、突然戦国時代の合戦場にタイムスリップ。補給が続かず、全滅する話。

・ファイナル・カウントダウン(アメリカ映画):原子力空母「ニミッツ」が、突然日米開戦直前の真珠湾沖にタイムスリップ。F-14トムキャットを発進させるが、あやうく零戦21型に撃墜されそうになる。

・バック・トゥ・ザ・フューチャー(アメリカ映画):狂気の科学者・ドクが作ったデロリアンを操って、過去に飛んだマーフィーマックフライは、あやうく自分の母親を口説いてしまいそうになる。その後未来に行ったりもっと大昔に行ったりした後、最後はデロリアンが列車に轢かれて破壊されてしまうのだが・・・。

・クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦(東宝映画):戦国時代の合戦の様子をもっとも史実に忠実に描写した映像作品。必見。

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以上、思いつくままいくつか紹介してきました。
人類の時間旅行願望がなくならない限り、これからもこれをテーマにした作品は製作され続けることでしょう。

(本文と写真は関係ありません)
posted by シモン at 18:00| 東京 ☀| Comment(7) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おはようございます!
今日出社すれば明日から3連休ですね!
時間旅行小説でも読んで過ごしたいと思います。
頑張りましょう(^^)/
Posted by Captured at 2010年09月17日 05:13
タイムマシンがあったら、最新兵器を持ち込んで亜米利加軍を粉砕し、日本による世界征服を実現します。それが出来ない場合の次善策として、そこらじゅうに転がってる空き缶(特にアルミ缶)を中島と三菱の工場に持ち込みます。あとはいいエンジンのパッキン。これで富岳が造れます。
できれば、亜米利加とは戦争せずに、弱い国を一瞬のうちに全滅させ、既成事実化して亜米利加に認めさせ、亜米利加にもうかつには手出しできない、という力を示したかったのです。
(なんか日本=伊達、亜米利加=秀吉みたいな書き方になってしまった・・・)
Posted by デハ at 2010年09月17日 06:43
みなさんコメントありがとうございます。

Capturedさん
三連休ですね!人によっては年休つけてもっと長い人も・・・去年はシルバーウィークでした。

デハさん
「仮想戦記」の世界ですよね。
旧軍は航空機エンジンの開発がついに出来ませんでした。そこをなんとか・・
Posted by シモン at 2010年09月17日 20:06
今の社会経済情勢では、これからますます1980年代への懐古基調となるのは間違いないです。私は当時大人で流行っていた遊びやファッション、車などを80年代の時間軸で体験したいです。
Posted by HB at 2010年09月17日 21:36
HBさん
コメント有難うございます。

クルマは80年代が確実にエンスーな時代だったと思います。他のアソビも含めて、よき時代でした。
今後日本がそのような時代の輝きを取り戻すことは難しいと思いますが、案外2012年頃には中国がまた衰退して日本がGDP世界2位に返り咲く、なんて予測もあるようです。
楽しみを過去に求めるよりは、未来に種を蒔きたいものです。
Posted by シモン at 2010年09月17日 22:03
時間旅行小説では筒井康隆氏の二つの短編が心に深く残っています。
「時の女神」
少年時代にときめいた、その美しい女性は青年になるまで何度か、その彼の元へ現れた。その女性は、驚くことにまったく年をとらず、同じコートを着ていた。或る日彼女が言った「あなたが好きです」
二人は結婚した。「僕は子供の頃から何度も君に逢っている。あれはすべて君かい?」
彼女は答えた。私はタイムトラベラーでずっとあなたを見て来たと。
やがて彼女は重い病にかかり、命は消えかけていた。「そうだ、君は僕をずっと見てきたと言ったね。未来へは行かなかったか!」彼女は言った。「一度だけ…」そして息絶えた。
長い年月が流れ、男は年老いた。
ある日、川の向うに、少年の日に始めて逢った時と同じコートを着た、若く美しい彼女が居た。
(ありがとう)
彼女の唇がそう動いた気がした。
彼女の姿は消えていた。

 切なく、そして甘いラストシーンです。
そしてもう一編は題名もわからないが、がんで余命幾許もない中年の男がタイムスリップして自分の少年時代に行く話です。
ジュニアスクールのバスの中にタイムスリップした男は、少年だった頃の体の中で目覚める。バスには美しい初恋の少女が乗っている。男は(よし、今度こそ彼女をオレの物にしてやる。なあに大人の知恵と狡猾さでは、あんな無垢で世間知らずな子供など手玉をとるようだ)ドアが開き少女がバスから降りる。「まてよ」少年が続いて追う。少女が走る。スカートをひるがえし、カモシカの様な長い足で力強く草原を駆ける。少年も追う。もう何も考えない。次第にその少年の足ものびやかに力強くなってゆく。

ここの描写がうまいです。少年が次第に強く生命力あふれ、中年男の記憶がふりほどけてゆくのが文字にはないが感覚としてわかります。
ここで物語は終わります。未来を見つめる力強いラストです。
なお三十年前の記憶なんで大間違いしてたらゴメンナサイ。
Posted by SS at 2010年09月19日 03:43
SSさんコメントありがとうございます(素晴らしい画像の数々いつも拝見しております)。
「時の女神」は知りませんでしたが、SSさんの解説を読んで切ない感傷が伝わってきました。
もう一編の方も、私は読んだことがありません・・・お役に立てずすいません。
いずれにせよ、タイムスリップ物は「不可能な願望の、一瞬の成就」というところが切ない人間の思いを感じさせてくれますね。
Posted by シモン at 2010年09月19日 04:56
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