2010年12月28日

黒人問題

某合衆国ならいざしらず、日本人で黒人を差別しようとする人はどれだけいるのでしょうか。

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ほぼ1年前に、「ちびくろサンボ」という記事を書きました。
今回のテーマも、季節には全く関係ありませんが、どうも私は年末になるとこういう問題に思いを巡らせる性癖があるのでしょうか。今回も、黒人差別問題を取り上げてみたいと思います。

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さて、「ちびくろサンボ」の話は、別に黒人を題材にしていたのではなく、英国人がインド人を登場人物にした童話だったということで、そもそも黒人差別とは全く関係がなく、この童話を廃刊に追い込んだ組織の主張は最初から外れていました・・・ということがわかったのですが、問題は、では果たして「これが最初からインド人でなく黒人を題材にした話だったら、廃刊に追い込まれても仕方のない童話だった」のでしょうか?

それを知るために、ウィキぺディアを調べてみると、どうやら「ちびくろサンボ」を廃刊に追い込んだ張本人は、「黒人差別をなくす会」という組織だったことがわかります。

「黒人差別をなくす会」は、家族3人で始めた零細組織だったようです。この組織の活動は、「黒人を差別していると感じたところに抗議文を送る」という手法だそうです。普通に考えると、そんな少数の人間からの投稿や意見などスルーすればいいと思うのですが、何故か(公表されていない、見えざる力によって)それらの抗議を、送られた企業や漫画家が次々に受け入れ、自主規制していきます。
・1988年、「ちびくろサンボ」に抗議し、絶版に追い込む。
・1990年、「カルピスのマーク」に抗議し、使用中止に追い込む。
・同年、愛らしい「ダッコちゃんマーク」に抗議し、使用中止に追い込む。
・同年、黒人をテーマにした「オバケのQ太郎」の巻を絶版に追い込む。「ジャングル黒べえ」も自主廃刊される。
・同年、「手塚治虫展」で展示された「ジャングル大帝」での黒人表現を差し替えさせる。
・同年、「Dr.スランプ」「こち亀」等の漫画作品に抗議し、表現を差し替えさせる。
・1993年、絵描き歌「コックさん」が黒人の特徴を描写していると抗議し、サンリオの絵本を回収に追い込む。
・1995年、「あんみつ姫」に抗議し、回収に追い込む。
・2002年、「ドリトル先生」の「ニガー川」という表現に抗議。
等等の活動を精力的に行っています。
こういった彼らの活動の結果、日本の漫画表現や広告媒体から、黒人を連想するような姿は、一掃されました。

この人達の活動は、結果として「黒人差別をなくすこと」にどれだけ効果があったか疑問ですが、確実に言えることは、「黒人をなくすこと」を見事に成し遂げたという点です。いっそ、会の名前も「黒人差別をなくす会」から、「黒人をなくす会」に改名したほうが、その実態に合っているように思えます。

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ところで、漫画界や広告界から「黒人差別」をなくすことに成功した彼らですが、果たして白人や黄色人種は、その特徴を描かれることは「白人差別」や「黄色人差別」につながらないのでしょうか。もしそういった差別を喚起する危険があるのであれば、白人や黄色人種を使った漫画や広告媒体に、黒人同様に抗議文を送りつけて廃刊や回収に追い込むべきではないでしょうか。何より、日本なんかで活動せず、黒人差別のメッカ・米国に乗り込んで、同様の主張をしてほしいものです。

(本文と写真は関係ありません)
posted by シモン at 18:00| 東京 ☁| Comment(9) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私は黒人は正直苦手です。怖いんですよ。
Posted by デハ at 2010年12月28日 18:31
今日が御用納めでした。

昔の漫画では「サインはV」のジュン・サンダースや「グレートマジンガー」の炎ジュンが、風呂場で黒い肌をごしごし洗って綺麗にしようとしていた・・・という話がありました
普通に、黒人(との混血)のコンプレックスの悲しさが伝わってきましたが、この某団体に言わせれば、それも「差別→削除」なんでしょうかねえ
というか、そもそもこの団体って何様なんでしょうか?
Posted by 無名X at 2010年12月28日 18:36
無名X様、私は明日が御用納めです。
どんな芸術表現でも、黒人の姿が出てたらダメ!
と勝手に主張する権利もあれば、無視する権利もあると思うのですが・・・。
Posted by ラー at 2010年12月28日 19:47
黒人を出さないのも差別と主張し、黒人を黒人らしく描くのも差別と言われる。
そのため最近のアニメでは、黒人なのに黒人の顔をしていない顔が増えている
Posted by デハ at 2010年12月28日 20:06
サイボーグ008の顔がまったく変わったり、ナディアが初期設定と違い、ただの日やけのオネーちゃんになったり、アフリカの力強さを消失させたキャラは魅力半減。
話は変わるけど、いち個人が出版物のマチガイに抗議しても普通は全々相手にされません。数年前、角川書店の本に「ダンボが世界初のカラー長編アニメ」と書いていたので「白雪姫が初めて」とTELしたのに「担当に言っておきます」ってそれきり。こんな誰でも知ってる(?)大マチガイをそのままにしてんのに次の号にも訂正の行もなかったよ。
Posted by A・2001 at 2010年12月28日 21:07
海外出張から10日ぶりに戻って来ました。
米国の特撮番組(日本発祥の戦隊もの)のキャスティングは、差別をなくすために差別対象を削除せず、5人いるメンバーの中に女性を必ず2名(昔のゴレンジャー発想ならピンク1名でしたが)、人種構成も白人・黒人・黄色人種・ヒスパニックの混成、と強制的に差別的要素を排除する様に徹底されています。
一方、確かに最近の日本のアニメに出てくる黒人はアフリカ系とは縁遠い、ただ肌が浅黒い人ばかりです。ちなみに巨人の星のオズマも野球選手になるまでの背景の描写(貧困や、白人経営者の奴隷の様な扱い)もあって今では削除されそうな人物です。
Posted by HB at 2010年12月29日 01:35
ところで何故最近シモンさんは、次々アップしながら一切コメントしないのだろう?
Posted by デハ at 2010年12月29日 21:21
みなさんコメントありがとうございます
記事は数週間前に書き溜めたものですが、私事でパソコンにアクセスする時間があまりありません(お察しください

失礼ですが、これで。
Posted by シモン at 2010年12月29日 21:49
改めて、みなさんコメントを頂いたのに、返信できずに申し訳ありませんでした。
親族が病気で、しばしその応対に追われておりました。

記事は、2週間分ぐらい書き溜めていたものを日時予約で投稿していたので、デハさんはじめご不審に思われた方もいらしたと思いますが、このような事情でした。

>デハさん
日本人にとって黒人というと、差別の対象(弱者)というより強者というイメージですよね。私も友人がNYで黒人に襲われた経験を聞いていたので、私もどちらかといえば「怖い」感じがありますね。

>無名Xさん
「臭いものに蓋」方式では、根本的な差別はなくなりませんよね。

>ラーさん
そこが「表現の自由」の難しいところで、道徳的に悪いことを表現する自由というのはおおかた受け入れられないので、漫画などは安全サイドの対応をせざるを得ない弱みがあります。

>デハさん
「黒人を黒人らしくなく描く」ことは、かえって黒人に失礼な気がするんですがねえ。そのうち、「女性を女性らしくなく描くべき」なんて意見が出てきたりしそうです。世界の中性化が起きそうですね。

> A・2001さん
そうですか、白雪姫が世界最初のカラーアニメだったんですか。存じませんでした。そういう種類の訂正はキチンとしてほしいものですね。
サイボーグ008の顔、Googleで画像検索してみて初めて気がつきました。これはもう原作の改変ですね。

>HBさん
冬の海外出張、お疲れ様でした。
私も米国で戦隊物を見たことがあります。男女平等・民族平等でなければ組織が構成できないのはかえって不自然ですね。
巨人の星の時代とは、差別語や表現の概念がもう根本的に異なっているとしか思えません。
Posted by シモン at 2010年12月31日 08:31
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