2011年02月17日

地震予知の虹

「地震が起きる前に虹が出る」という説を唱えていた人がいました。

niji_earthquake.jpg

♪虹の向こうは 晴れなのかしら〜

という能天気な歌が流行っていた頃。
各地で、ある程度大きな地震が起きるたびに、決まって新聞の片隅に「今回も地震予知成功」という記事が掲載されていました。その予知とは、ある人のところに数日前の消印で葉書が届き、
「XX日に○○地方で地震あり」
と予言されていた、と言うのです。
地震を予言したその人は、「虹を見る」という奇妙な方法で地震を予知していました。その人の名は、椋平廣吉さんといいます。

椋平さんの主張する地震予知の方法とは、こんな方法です:
山の稜線に合わせて縦軸と横軸を書き込んだ半透明の観測板の上にセルロイドの分度器を固定し、虹の姿を書き込みます。
そして得られた虹の形で震源の方向が、長さで震源までの距離が、色の濃さで地震の規模が、虹の出ている時間で何時間後に 発生するのかがわかる、というものでした。

学術的な根拠もない彼の手法を、学会はまじめに取り合いませんでした。しかし、彼が地震が起きるたびに郵送していた葉書には、(地震発生前の消印であるにもかかわらず)正確に震源の位置と規模が書かれていたため、毎回新聞記事をにぎわすことになったのです。
誰もが、「そんなに的中するのなら、葉書という手段でなく電話で事前に教えて欲しい」
と思ったことでしょう。しかし、椋平さんは「万が一予知が的中しなかった場合、社会の混乱を招く可能性があるから」というような理由で固辞していたと記憶しています(=このあたり、私の記憶ですので曖昧です)。

92年に椋平さんが亡くなった後。この「予知」のトリックが明かされました。椋平さんは、
・毎日、鉛筆で薄く書いた自分宛の葉書を出し続ける(昔の消印の白紙の葉書が溜まっていきます)
・次に、地震が発生した時に、それより数日遡って自分宛に出した葉書の宛名を消し、ボールペンで知人の宛名を書き、通信面に地震の震源地と規模を書く
・そして自分で知人宅のポストに投函する
というものでした。
このトリックが明るみになって、学会だけでなく世間も「やはり虹などでは地震は予知できない」という結論に達しました。

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私もこの顛末は知っていたので、やはり単なるイカサマだったと信じていたのですが、つい数日前。椋平氏が虹で地震予知を始めた頃の記録を読む機会がありました。
それによると、昭和5年11月、「アスアサ ヨジ イヅニテ ジシンアリ」と京都帝大理学部に電報があったそうです。そして実際に翌日「北伊豆大地震」という直下型の大地震が発生し、200名以上の死者が出ました。この電報を打った人が椋平さんでした。当然、この時は葉書のトリックなど使っていません。

果たして、「椋平虹」と呼ばれる「地震を予知する虹」は存在するのでしょうか。もし椋平さんがこの手法に確信を抱いていたのなら、何故晩年に葉書のトリックのようなことをしたのでしょうか。椋平さんが亡くなった今、すべては謎のままですが、2008年の四川省大地震の時にも「虹」が発生したという噂もあります。

(本文と写真は関係ありません)
posted by シモン at 18:00| 東京 ☀| Comment(10) | TrackBack(0) | 事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
天変地異の予兆で海や空が赤くなるという話はよく聞きますね。
Posted by デハ at 2011年02月17日 22:38
虹ではなく、「地震雲」で予知する話を聞いたことがあります。
Posted by ラー at 2011年02月17日 23:02
地震の前ぶれとして、普段見られないような不気味な雲(いわゆる地震雲)・野鳥の異常な行動〜など様々な説がありますが、稀にそれかな?と思われる現象を見かけたとしても、ただ気味悪がるだけで過ごすことが多いです。
うろこ雲も地震雲と言われてるそうですが、たまによく見かけるし、夜に遠くの空に浮かぶ赤い月も見たことがあるのですが、その後特に何も起りませんでした。

これといった確証がとれる予知は無理があるのではと思う。 
Posted by winechoco at 2011年02月18日 01:43
みなさん、コメントを頂きありがとうございます。

デハさん
天変地異の前触れで、地磁気が変動して大気に影響を及ぼす・・・という説がありますね。
人間が失ってしまった第六感を動物が感じるという説といい、その存在自体が現代の地球物理学では解明されていない謎ですね。

ラーさん
竜巻状の雲が地震雲とされることが多いようです。現代の地震学ではやはり否定されているようですが、「肯定できないから否定」するのか、「積極的に否定する理由がある」のかはよくわかりません。

winechocoさん
まさに、おっしゃる通りで、「これこれこういう現象が出現したから必ず地震が起きる」という予知は、不可能なんでしょうね。
天気予報にしても外れるわけで、前触れ現象が起きても地震が起きる確率は「20%」という程度しか予報できないものかもしれません。
椋平さんの発見した「虹と地震の因果関係」は、あるいは何割かの確率で「当たっていた」のかもしれませんが、学会に認められなかった晩年にやけくそになってインチキをしてしまい、完全に葬り去られてしまったのは残念なことなのかもしれません。
Posted by シモン at 2011年02月18日 18:39
大変魅力的なお話でした。椋平さんの本当のところは謎のままが素敵なお話なのかもしれませんね。
四川大地震の同時期に三浦雄一郎氏のチョモランマアタック隊が中継地にキャンプを張っていました。地震の前日か当日かは失念しましたが空に水平の虹が出ました。隊員から写真を見せてもらいましたよ。
Posted by いぢこ at 2011年02月21日 00:41
いぢこさん
はじめまして、シモンと申します。
四川大地震の前に出ていた虹の写真を御覧になったんですね。
椋平虹の他にも、学会の権威の前に理論とならず迷信として消滅してしまった数々の研究が埋もれていることでしょうね。

コメントありがとうございました。
Posted by シモン at 2011年02月21日 04:43
熊猫が本日来日します。先の四川地震では、熊猫に犠牲が出たと知り、大いに心を痛めました。
熊猫に支払う金が高いと石原閣下は批判しますが、プロ野球の使えない外人に払う金を考えると、存在するだけで意義がある熊猫に支払うのは惜しくない気がします。
Posted by デハ at 2011年02月21日 14:14
デハさま
反中国の風潮ですが、坊主憎けりゃ袈裟までというような石原さんの意見は同意出来ませんね。
パンダ来日を心から歓迎します。
Posted by 無名X at 2011年02月21日 15:00
中国は尖閣諸島さえ不法占拠しなければいい国なのです。
小向美奈子も、シャブ持ったまま比国ではなく中国へ行くべきだったのです。
酒井法子もです。
 中国は、麻薬犯をじゃんじゃん死刑にしてくれるありがたい国です。
 麻薬覚醒剤犯人は全員中国に引き渡したいです。
Posted by デハ at 2011年02月21日 17:33
ニュージーランドに椋平さんがいたら…
行方不明の方々のご無事をお祈りいたします。
Posted by ラー at 2011年02月23日 20:23
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