2011年05月31日

江戸しぐさ

江戸時代の、都市生活の粋なマナーです。

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雨の季節となってきました。5月に台風まで来るとは予想していませんでしたが、とかく今年は自然災害の多い年のようです。

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雨と言えば傘。通勤のためただでさえ混みあう東京の路上に傘が開くと、歩きにくいことこの上ありません。
狭い路上を行き交う時、傘が相手の傘とぶつからないように、相手と反対側に傾ける。これは都会で生活する人にとっては常識的なマナーですが、この方法は江戸時代に編み出されていたものでした。

「江戸しぐさ」は、江戸時代に商人たちが江戸を生き抜くための生活の知恵として集成されたマナーのことです。たとえば、傘を反対側にかしげるやり方は「傘かしげ」と呼ばれます。往来でのマナーは「往来しぐさ」というジャンルで、たとえば「肩引き」をして、お互いの肩がぶつからないように歩くとか、見知らぬ他人でもちょっと会釈をして通るとか、狭い道路を歩行するのに道をさりげなく譲り合うエチケットでした。

「江戸しぐさ」は必ずしも道を歩くときのマナーだけではなく、たとえば「打てば響く」のように、すばやく機敏に適切な対応をするだとか、「三脱の教え」のように、初対面の相手に年齢・職業・地位を聞かないだとか、「返事は一度」のように、目上の人に対して不平を表さないとか、事細かなルール集は800余りの数に上るそうです。

江戸時代の人が最初から現代人よりもマナーに優れていたというよりは、逆にこういったマナー集ができるぐらい不躾な人が多く、そういった人達が失敗を重ねていったことの裏書きなのかもしれません。
ともあれ、マナー集が押し付けにならず「粋」という概念に集約され、「知らない人間は野暮」として扱われたことは注目に値します。

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新橋あたりの狭い路地を歩いていると、だいたいの若い男性のサラリーマン風の人達はほとんど「傘かしげ」をします。ところが、若い女性の中には「傘かしげ」と反対に、傘をこちら側に倒して向かってくる人が多く、傘がこちらの衣服にぶつかることが多いように思われます。中高年のおじさんの中には、雨が降っていない時に傘を刀のように持ち、後ろから来る人を刺さんとばかりに手を振って歩く人もいます。
江戸時代の江戸に比べ、野暮な人間が増えたことは確かなようです。

(本文と写真は関係ありません)
posted by シモン at 18:00| 東京 ☔| Comment(5) | TrackBack(0) | 生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お、模様替えですね
Posted by デハ at 2011年05月31日 22:09
昨日、駅で傘を槍のように構えて突進してくるおじさんがいました。
Posted by A2Z at 2011年05月31日 22:31
江戸時代になかった現代の問題

通勤電車 

降りる人を待たずに 乗り込む田舎者

人より早く 空席やイイボジションへ立ちたい?
気持は誰にでもあるだろーが、

「粋」じゃないよなぁ〜
Posted by メンコ屋六文堂店主 at 2011年06月01日 08:45
みなさんコメントありがとうございます。

デハさん
そうです 夏仕様です。

A2Zさん
傘は凶器になります
気をつけましょう。

メンコ屋六文堂店主さん
江戸時代にはなかったですね、通勤電車
ホームで、出口の両脇で待たないで
ドアのまん前で待つのも「野暮」ですね
「粋」の概念があった江戸人の方がよっぽど文化人ですね。
Posted by シモン at 2011年06月02日 04:36
シモンさん
粋が通じないということは、野暮な人ばかりになったということですよね。

「江」を見て喜んでいる人といい、目利きがいなくなった現代日本です。
Posted by 歴史ファン at 2011年06月02日 12:43
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