2011年06月14日

ハンス・オッテ「響きの書」

梅雨時の気分を安らげるために最適な音楽です。

Hans_Otte.jpg

四季の豊かな日本の季節の中で、最も鬱陶しいシーズンはちょうど今でしょう。
雨水に濡れた傘を手にしながら揺られる満員電車の車内。蒸し蒸しする中で背中を伝わる汗。こんな時は、通勤時間がいつもより数倍長く感じられます。



そんなストレスと緊張に満ちた日々の心を、ドイツの現代音楽家・ハンス=オッテ(1926-2007)の音楽は静かに解きほぐしてくれます。
「響きの書」は、全12partから成るピアノ曲集です。現代音楽というと、武満徹の音楽のように、日常とはかけ離れた「非日常の音の響き」を連想してしまいますが、ここに集められている曲はいずれも日常とさほど遠いところにあるわけではない、心地よい音の響きが連鎖となって耳に響いてきます。



メロディはシンプルにして控え目で、人工的というよりは(雨音のように)自然の中で無機的に生成されるかのような響きに身を委ねていると、それは「音楽を聴く」という行為というよりは「音の森林浴」とでも言った方が適切に思えます。



いわゆる「イージーリスニング」とは異なり、繊細な音の響きの表情は、part1から12まで変化に富んだバリエーションを構成しています。一曲一曲を聴いていると、その度に違った余韻を楽しむことができるのです。

気分が滅入りそうな今年の日本の梅雨時を救ってくれる一枚です。
posted by シモン at 18:00| 東京 🌁| Comment(3) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Hans-Otteのピアノ曲、ミニマルな中にも繊細な表情を持った音符が水のように流れていきますね。
癒しの音楽です。
Posted by Sei at 2011年06月14日 21:02
試しに聴いてみたところ、抵抗なくスッとその音楽世界に入って行けました。
こんな時代だからこそ、このシンプルな音楽が好きになりました。
Posted by FYI at 2011年06月15日 18:44
みなさんコメントありがとうございます

Seiさん
「Bの残照」毎週楽しみにしています

FYIさん
そうですね
こんな時代は楽器が咆哮する音楽よりシンプルな純音がいいです
Posted by シモン at 2011年06月16日 04:21
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