2011年09月06日

ビートルズの誤訳

間違った訳詩に感動していた人も多かったかも知れません。

beatles.jpg

私が中学校に入りたての頃、クラスではビートルズが流行ってました。もちろんその頃はとっくに解散していたのですが、ビートルズのLP(=CDの前身)を交換しながら聴く、というのが当時の中学生の交流の一つのスタイルだったのです。

reo4.jpg

そんな当時、本屋でふと「ビートルズ詩集」という本を見つけました。ビートルズが発表した曲の対訳の本です。訳者は(ビートルズのレコードについてた対訳で有名な湯川れい子さんではありません)忘れました。そして、その翻訳が、当時英語を習い始めたばかりの私にもわかるぐらい、へっぽこな訳だったのです。

いくつか例を挙げてみます。

♪I read the news today, oh boy (「A Day In the Life」より)
→「おいらがニュースを読んだ時にな、坊や

・・・「Oh Boy」は、「え!」とか「お!」とか、驚いた時の間投詞です。「坊や」とか「少年よ」じゃないです。

♪Christ! You know it ain't easy(「ジョンとヨーコのバラード」)
→「キリストさんよ、そりゃ難しいことぐらいあんただってわかるだろ」

・・・「Christ!」とか「Jesus!」とか、「畜生!」という意味で使います。もっとも、米国ではこの間投詞も「キリストを冒涜している」と糾弾されたわけですが。

♪Take a cha-cha-cha-chance(「Birthday」)
→「チャチャチャの踊り

・・・なんじゃそりゃ!

♪Everybody has a wet dream(「I've got a feeling」)
→「誰にも枕を濡らした夜がある」

・・・「枕を濡らした夜」では、悔しくて泣いてるみたいですが、「wet dream」は別の意味があります(ググって見てください)。

♪She said "you don't understand what I said", I said "No, no, no, you're wrong"(「She said, she said」)
→「彼女は言う「私を理解してないでしょ」僕は答える「そんなことないさ、君は間違ってる」

・・・否定形疑問文に対する「No」は日本語では「いいえ」でなく「はい」と訳すのが正しいです。なので「その通りさ、君は間違ってる」が正しい訳です。

まだ他にもいろいろありましたがこの辺にしておきます。

reo5.jpg

「ビートルズの誤訳」として有名なものでいうと、
「Norwegian Wood」を「ノルウェーの森」と訳している(「森」なら「Woods」でしょう)例があります。
♪She showed me her room, isn't it good, Norwegian wood?
・・・「彼女は部屋を見せて言った『イイでしょこれ、ノルウェー製(の木のベッド)よ?』」という意味でしょう。

他にも、「Let it be」で、
♪Mother Mary comes to me, Speaking words of wisdom, let it be.
という一節を
「聖母マリア様が降臨されて、智にお導きになる言葉を語られた『主のお心のままに』と」
と訳しているのがいまだに結構あります。
でも実はポールマッカートニーが14歳の時に亡くなった母親が「メアリー」という名前だったので、ポールの夢に現れたのは聖母ではなく母親の霊だったと考えるほうが自然です。
「夢にメアリー母さんが現れて、いいことを言ってくれた『ほっときなさい』と」
というぐらいの訳ではないでしょうか。

reo6.jpg

ビートルズに限らず、洋楽の邦訳は結構トンデモなものが沢山あります。また機会があれば書いてみたいと思います。

(本文と写真は関係ありません)
posted by シモン at 18:00| 東京 🌁| Comment(5) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「ロンサムカウボーイ」で知られる、片岡義男さんの「名訳」ですね。

私も持ってました。
Posted by A2Z at 2011年09月06日 20:03
湯川れい子さんのライナーノートにも結構「誤訳」がありました。
ジョンとヨーコのバラードで「save momey for the rainy day」を、「雨の日のためにお金を貯めて」と訳してましたが「万一に備えて貯金して」が正しいような…
Posted by 無名X at 2011年09月07日 20:17
みなさんコメントありがとうございます。

A2Zさん
片岡義男さんですね!
長い間、忘れていました。
ご教示多謝です。

無名Xさん
そういう箇所もありますね。
ビートルズに限らず、「ホテルカリフォルニア」とか、誤訳はいっぱいあります。
Posted by シモン at 2011年09月10日 02:59
結構世に知られているロックのヒット曲でも、CDの対訳を読んでみると、あれ???と思うのがたまに見かけますね。
例えば「恋に愛する男の子たちも〜〜」など、日本語として変なのもあったりします。
普通に「恋愛する男も〜〜」とすればいいものを・・・。
Posted by choco at 2011年09月15日 18:49
chocoさん
コメントありがとうございます。

>「恋に愛する男の子たちも〜〜」
名訳ですね(嘘
洋楽界には、訳しながら作詞までしようとする野心的?な翻訳者のせいで、へんてこな訳詩が多いようです。
Posted by シモン at 2011年09月16日 03:20
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/222574406
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック