2011年09月12日

河童

日本の川に棲むと言われる想像上の生き物です。

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日本には、「想像上の生き物」と呼ばれる生物や妖怪がいくつもあります。
幻の蛇と言われるツチノコや、雪男・雪女伝説は各地にあります。
そんな中でも最も有名な「伝説上の生物」は「河童」でしょう。

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河童は、水神の落ちぶれた姿と言われ、人馬を水中に引き込んだり、尻子玉という(人間が持つといわれる)架空の玉を抜き取ったりと悪事を働く反面、水の恵みをもたらすために雨を降らせてくれる霊力の持ち主として一目置かれてきました。
江戸時代に書かれた「日本山海名物図会」には、豊後の国(大分県)が河童の産地として知られ、「大和三輪素麺」や、「松前昆布」などと名前を並べて「豊後河太郎」が紹介されています。

豊後地方の河童・河太郎は、体の大きさが5−6歳の子供ほどで、全身に毛が生え、猿に似ています。いつも浜辺で相撲を取っており、人間が来ると水中に飛び込み、時々人間を水中に引きずりこんで殺してしまうこともあります。河太郎と相撲を取った人は、たとえ勝っても正気を失い重病になるということです。そんな時は、樒(しきみ)を粉末にした抹香を飲ませれば意識が戻るそうです。

河童の存在は、実は口減らし等なんらかの事情で家に住めなくなった子供たちの姿なのではないか、という仮説を氏家幹人さんがその著書「江戸の怪奇譚」の中で述べられています。そういった子供たちが川辺にたむろし、時には道行く人に悪さをしながら生きていたことは十分に考えられるからです。
福島県出身の氏家さんの著作には、江戸時代の武士の世界の暗部や、意外と知られていない日常生活にスポットライトを当てた作品が多く、興味深いです。

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河童を漫画化した漫画家は幾人もいます。

昭和の漫画家・清水崑さんは、週刊朝日で「かっぱ天国」を連載し、そのキャラクターが「黄桜」のマスコットキャラクターになりました。また、「かっぱえびせん」の原型となった「かっぱあられ」の命名者も清水さんだったそうです。
清水さんの死後、「黄桜」のかっぱの絵は小島功さんに引き継がれ、現在に至っています。

「ゲゲゲの鬼太郎」で知られる水木しげるさんは、貸本作家時代に「河童の三平」という作品を描いています。この作品は水木さんの手で何度もリメイクされ、「ぼくら」(講談社)版、「少年サンデー」(小学館)版など多数のバリエーションがあります。

吉田戦車さんの不条理マンガ「伝染るんです。」にも、かっぱ君は出てきます。主人公のかわうそ君に散々振り回されながらも、友情を信じてついていきます。

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漫画に限らず、日本を代表する短編小説家・芥川龍之介は、「河童」というそのものズバリの作品を残しています。芥川龍之介の命日である7月24日は、この作品にちなんで「河童忌」と呼ばれています。

(本文と写真は関係ありません)
posted by シモン at 18:00| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
河童をモデルにしたウルトラセブンの宇宙人が「テペト星人」です。
本編よりも、桑田次郎漫画版の方が深いドラマになってます。
Posted by ラー at 2011年09月12日 20:57
ラーさん、僕もあの漫画には動かされました
Posted by デハ at 2011年09月12日 21:30
芥川龍之介の河童は大変思い出深い作品でした。

当時、古典(?)文学にはあまりなじみのなかった自分にはちょうど読める分量の小説だったので読んだのですが、その衝撃的な内容は今でも強く記憶に残っているほどです。

作中で河童が自分が生まれるかどうかの選択をする場面などは、それまでの作品になく考えさせられた記憶があります。

また別件ですが、それ以来河童好きになってしまったようで、うちには河童のぬいぐるみが5匹ほどいたりします。
Posted by 国重 at 2011年09月12日 23:37
みなさんコメントありがといございます。

ラーさん
漫画編の方が、共存を願いながらも人間にとって猛毒の体液を持つために心ならずも地球を去るテペト星人の悲哀が上手く描かれていました。

デハさん
も読まれましたか、桑田版。今度一度記事にしてみましょうか。

国重さん
芥川の傑作ですよね。実はあの小説で書かれた河童の本質は、人間そのものだったりするところが面白いです。

河童のぬいぐるみを抱えた国重さんの姿が目に浮かびます。
Posted by シモン at 2011年09月13日 04:01
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