2011年12月18日

ぴょん太のあんぜんにっき

激しいアクションの教育番組でした。

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日常生活の中には、危険がいっぱいです。自然災害、火事、交通事故・・・と枚挙にいとまがありません。
子供たちを、そんな危険から守ろうという目的で、80年代に放映された教育テレビ(現・Eテレ)の番組が、「ぴょん太の安全日記」です。

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ぴょん太は、小学生のうさぎです。人語を解し、胸に「ぴ」と書いた衣服を常時着用して、ゲゲゲの鬼太郎そっくりの声でしゃべりますが、彼の行動を一口に言ってしまうと、
「軽率」
の二文字に尽きます。「平気平気!」と言いながら毎回事件の渦中に飛び込んでいく彼は、日本全国小学生の視聴者に、「安全とは何か」を、反面教師として伝える役柄なのです。

レギュラー登場人物は、他に「お姉さん」がいます。この人の役は、
「ぴょん太くん、大丈夫かしら?」
と、ぴょん太に死亡フラグを立てることと、事件後に
「だからあれほど言ったじゃないの!」
と説教をすることの二つです。演じていたのは浅見美那さんという女優さんで、この人はこの番組を足がかりににっかつロマンポルノに転向したそうです。

レギュラーの他には、とびだしてきたぴょん太くんをはねてしまったタクシーの運転手さん(おそらく一般人)が、
「だめだよぴょん太くん、道路にいきなり飛び出してきちゃ」
と棒読みをしたりしています。
また、ステッキを持ったおじいさん。いきなりぶつかって、挨拶もせずに走り去ろうとするぴょん太くんを、ステッキで引っ掛けて捕獲します。ワイルドなおじいさんです。

大人と子供の違いは何でしょうか。前者は、「一度失敗したら二度と繰り返さない」ことを信条としていますが、後者は、「繰り返し繰り返し、同じような危険をおかす」傾向があることです。
ぴょん太君は、一年を通じ、再放送も含めると述べ40回ぐらい危険な目に遭っています(でも不死身)。
手元に残っている1980年の放送記録から、その足跡を辿ってみましょう。

1980年4月11日:「がっこうのいきかえり」学校から下校中のぴょん太くん。友達との会話に夢中で、ついうっかりオートバイにはねられてしまいます。仮死状態に陥りましたが、無事いきかえりました。

5月16日:「やすみじかん」学校での休み時間。ボール当てごっこで遊ぶぴょん太くんは、後頭部にドッジボールを直撃されて昏倒。仮死状態になりますが、始業のベルとともに復活を果たします。

5月30日:「ぼくのじてんしゃ」自転車でウィリー走行したりと、無謀運転をするぴょん太くん。案の定転倒したところに、走ってきたタクシーに轢かれます。が軽い打撲で済みました。

9月5日:「じてんしゃにのるとき」前回での負傷にも懲りずに、お姉さんの制止もふりきって曲乗りに出かけたぴょん太くん。案の定転倒したところに、走ってきた大型トラックに轢かれます。が今回も軽い打撲で済みました。

10月17日:「えんそくのひ」:みんなで楽しい遠足の日。友達と、「Gメン75歩き」をしていたぴょん太くんは、走ってきた大型タンクローリーに轢かれ、炎上します。が今回も軽いやけどで済みました。

1981年1月3日:「車はすぐにとまれない」:正月三が日も明けないこの日。ボール遊びをしていて、道路に出たボールを追いかけて道に飛び出したぴょん太くんは大型トレーラーに轢かれます。が今回も軽い擦過傷で済みました。

3月13日:「じてんしゃはともだち」:再三の事故にもめげず、今回も自転車で出撃するぴょん太くん。大型トレーラーと激しいカーチェイスを繰り広げます。スピルバーグはこの様子を「激突!」という映画に仕上げました。

このように、毎回壮絶なシーンが繰り広げられました。ぴょん太くんがタクシーやトラックにはねられる場面では、寸止めではなく、実際に「ボコッ」と鈍い音がしていました。ぴょん太くんの中の人(スタントマン)は、何人も病院送りになったそうです。

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「自分の身は自分で守る」それが安全の基本です。この番組を通じて、当時の多くの小学生のみなさんが、ぴょん太くんと共に笑い、怒り、また彼の行動を批判する過程で、安全についての知恵を身につけていったことだと思います。

(本文と写真は関係ありません)
posted by シモン at 05:00| 東京 ☀| Comment(8) | TrackBack(0) | TVと映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ぴょん太君は家で見た記憶があります。毎回トラックに轢かれたり炎上シーンは失念しましたが、余りに軽率すぎて交通安全啓発になりませんでした。これをリアルに描いたら毎回凄惨なぴょん太君の遺体を目にする事になるでしょう。

それより小学校の授業や公民館で見せられた交通安全啓発ビデオの方がリアル過ぎて未だに覚えています。実際に車にはねられ骨折した小学生が泣きながら救急車に乗せられる映像とか、今では考えられない作品です。あと父親を事故で亡くし母親が夜な夜な屋台を引き一家を支える作品。母親の職業が原因で子供がいじめられます。今なら差別助長につながり自粛ものです。
Posted by HB at 2011年12月18日 10:38
HBさん

>毎回凄惨なぴょん太君の遺体を目にする事になるでしょう
そうですね。
旅順要塞攻略の日本軍以上だったと思います

>小学校の授業や公民館で見せられた交通安全啓発ビデオの方がリアル過ぎ

安全遵守に関する抑止効果はぴょん太の数千倍はあったことでしょう。

2011年の現代なら、「名たんていコナンのあんぜんきょうしつ」あたりが適当な教材でしょうか。
あの漫画自体、人が無造作に死に過ぎの観がありますが。
Posted by シモン at 2011年12月18日 11:25
ぴょん太くんは、自転車にのぼり旗を立てて乗ってましたね。
「ゴーゴー」とか言いながら、トラックに向かって激走していた姿が目に焼きついています。
Posted by A2Z at 2011年12月18日 17:11
主題歌が郁恵ちゃんだった気がします
Posted by デハ at 2011年12月18日 21:40
ぴょんた君の番組を見たことはありませんが、ウィリー走行をするとはなかなかの猛者のようですね。一度見てみたいものです。
Posted by 国重 at 2011年12月18日 22:54
A2Zさん

ぴょん太くんに憧れて暴走族に入った人もいるかもしれません
Posted by シモン at 2011年12月19日 07:07
デハさん

その通りです
♪心のシグナル スイッチオン!
という歌詞があるのですが、ぴょん太くんのシグナルは、
常時電源が切れていたようです
Posted by シモン at 2011年12月19日 07:11
国重さん

ぴょん太くんの無謀な自転車の乗り方は、
youtubeにもありませんので、
是非NHKに再放送してほしいです
一見の価値ありです
Posted by シモン at 2011年12月19日 07:16
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