2013年06月11日

男性用化粧品

ごく普通の男性も化粧品を使います。

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「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」と、女性に成りすまして「土佐日記」を書いたのは紀貫之ですが、「女もすなる化粧といふものを、男もしてみむとてする」人は昔からいました。

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男性化粧品で、最初にヒット商品となったのは1962年発売の「バイタリス」(ライオン株式会社)です。これはヘアリキッドという髪の毛につける所謂整髪料です。
髪の毛をしっとりと整える効果以上に、その強烈な匂いで「俺は髪にヘアリキッドを使ってるよ」とアピールしていたそうです。

次に、銀と黒の斜め市松模様が目を引くデザインの「資生堂MG5」(1967年発売)です。これも基本的には整髪料でした。CMに出演された方は、NHK「美の壷」に出演している草刈正雄さんや、「帰ってきたウルトラマン」に主演した団次郎さんといった渋い面々でした。

資生堂は余勢を駆って1969年に「ブラバス」を発売します。このCMには、先述の草刈正雄さんと、ジャズミュージシャンの渡辺貞夫さん(通称アベサダ)が起用され、豊かな田園風景で化粧品を使う男たちが美しく映像化されていました。
一方、株式会社マンダムもCMにチャールズ・ブロンソンを起用し1968年に「う〜ん マンダム」を発売しました。

70年代に入り、カネボウも男性化粧品に参入します。イタリアの俳優マルチェロ・マストロヤンニを起用して、「For beautiful human life.」というキャッチフレーズのもと、「バルカン」を発売(1976年)。欧州の火薬庫と呼ばれたバルカン半島から命名するというきな臭い戦術に対し、資生堂も「タクティクス」(=作戦)という合戦を思わせる名前の化粧品を1978年に発表します。

表題の写真は、80年に発売された資生堂アウスレーゼです。美しい透明のボトルに入った整髪料を、うっかりドイツワインと間違えて飲み干してしまう人は皆無だったと思いますが、「微香性」を売りにして、それまでの男臭いイメージから脱却した「清潔感」をアピールしていました(が、CMは性格俳優の山崎努さんがつとめていました)。

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その他、花王の「サクセス」シリーズとか各社入り乱れて男性化粧品が発売され、異性にもてたい若手男性サラリーマンや大学生にもてはやされましたが、2013年の今日、女性に興味のないゲームおたくの若者が増え、男性化粧品の売れ行きはいまひとつのようです。

(本文と写真は関係ありません)
posted by シモン at 05:00| 東京 ☀| Comment(14) | TrackBack(0) | 生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おしゃれには縁遠い自分ですが、動物界でメスがおしゃれをするのは人間ぐらいなものですよね。

見た目が優美だったり鮮やかで派手な彩りをした生き物の多くはオスだし、鴬や鈴虫が美しく鳴くのも蛍が光るのも全部オスです。

一方のメスと言えば、これが同じ生き物かと思えるぐらいにオスに比べて地味な姿をしていますね。

そう思うと、メスがおしゃれを楽しむホモサピエンスとは動物界でも特異な存在なのかもしれませんね。

とは言え、カマキリみたいに交尾後にオスを喰らうメスがいるように、人間界でも男の食いモノにする女がいますから、この辺りはいくら人間様と威張ってみても、ほかの生き物たちと変わらない気もします。

出来うることなら、カマキリ夫人には会いたくないものですね(笑)


Posted by 田舎帝王 at 2013年06月11日 07:25
田舎帝王さん
コメントありがとうございます。

うーん。
してみれば、人間だけはメスがオスを誘うという特異な存在ですかな。
(芥川によれば、河童もそうですが)

バブル期は動物さながら、おしゃれをするオスも大勢しましたが、21世紀に草食動物になってその潮流も廃れたようです。

カマキリ夫人に食われることを楽しみにしているオスもいるようです。生物は個体より生態系を優先する本能がある、ということでしょうか。
Posted by シモン at 2013年06月11日 20:45
「あ!顎に○○(食べ物)が付いている!!」
と声をかけ、相手が反射的に顎を触ると
「う〜ん、マンダム」
という、どうしょうもないやり取りが小学生の頃に流行りましたが、テレビCMが子供にも浸透していたという事でしょう。
1968年から商品があったとは。

MG5のローションは、なぜかマツモトキヨシでは扱っていないようです。
Posted by ヨット at 2013年06月11日 21:04
ヨットさん
コメントありがとうございます。

テレビCMが子供にウケても、化粧品の売り上げには全く関係ありませんでした・・・
ということが昭和43年頃には既にあったということですね。

マツキヨでMG5扱ってませんでしたか。私には全く関係ありませんが。。
Posted by シモン at 2013年06月11日 21:09
マンダムと言う社名はマンダムが売れまくって会社の看板商品になった事から、マンダムって社名を変更したみたいですね。

Posted by 田舎帝王 at 2013年06月11日 21:12
田舎帝王さん

津村順天堂がバスクリンと社名を変えるようなものですね(実際は「ツムラ」)
Posted by シモン at 2013年06月11日 21:22
私が最近使っている化粧品?というと、
昔のように匂いを発するものでなく、
むしろ匂い消しのようなものばかりです

今日のような蒸し暑い日には、Agスプレーのお世話になりました。
Posted by A2Z at 2013年06月12日 20:25
A2Zさん
確かに、今日は蒸し暑かったですね・・・

昔は「男臭い匂い」がもてはやされていた時代があったんだと思いますが。

「くっさーい。」
という女子高生の一言でけしとんで、いまや無臭時代です。
Posted by シモン at 2013年06月12日 20:37
戦国時代は、甲冑や羽織をみるかぎり、♂のほうが華やかだったようです。その最先端を行く人物が、細川元首相の先祖、細川忠興公でした。ただし、彼は夫人も美しく飾り立て、しかもそれを他人には見せなかったそうです。
 自分や他の武将の衣装もデザインしていたそうです。
Posted by デハ at 2013年06月12日 20:45
松尾製菓もチロルチョコにちなんで改名しました
Posted by デハ at 2013年06月12日 20:46
デハさん
コメントありがとうございます。

ガラシャ夫人に対する細川忠興の愛というか夫人への接し方の哲学というか、その世界はデハさんがご示唆くださっている通りの「美学」ですね。決して他人に見せなかったという。

それを数年前の大河ドラマ「シエ」では曲解して
「夫に愛されなかったから耶蘇教に転向した」
みたいな話にされていたのには噴き出しました。
Posted by シモン at 2013年06月12日 21:07
デハさん

チロルチョコは、
・誰にも真似できる
・でも誰も真似しない
という、奇跡のバランス構造で辛うじて成り立っている会社です。
Posted by シモン at 2013年06月12日 21:09
細川忠興と言えば男性下着にムーブメントを起こした武将ですね。

細川忠興が発明した褌と言うことから、忠興の官職である越中守を取って越中褌と名前がついたようですね。
Posted by 田舎帝王 at 2013年06月12日 22:47
田舎帝王さん

越中で発明された褌ではなかったんですね。
Posted by シモン at 2013年06月13日 04:29
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