2016年09月25日

江戸の少年

平凡社から出版された、氏家幹人さんの著作です。

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少女漫画の大家・竹宮惠子さんの「風と木の詩」は、少女漫画のジャンルでありながら「少年愛」をテーマとした耽美的な作品です。その反響は大きく、少女だけでなく菅原さんを含む男性知識人層の読者の心も捉えました。

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「江戸の少年」は、江戸時代の奇譚を扱った著作で知られる氏家幹人さんが1994年に平凡社ライブラリーから出版した本です。
内容は、江戸時代を扱っていながら「歴史書」としての枠組みに囚われず、むしろそういった正当な書籍には紹介されない数々の事件や事例を興味深く紹介しています。

まず最初の「星になった少女」の冒頭からして、
「少女が出産した。いや、少女は数えで八歳だったから、正しくは童女というべきかもしれない。」
という、見世物小屋的な興味を引く一文で始まっています。
しかし、単に奇譚を「事件」として紹介しているだけではなく、このような出来事を前にして吉兆と結びつけ、日常の不安を揺り動かす民衆の動きや、さらにはそれに対処することで領内の社会心理をコントロールしようとするお上の存在が浮き彫りになってくるのです。

「衆道」が現代ほど抵抗感なく受け入れられていた時代、たとえば織田信長の衆道は有名ですが、そんな安土桃山時代から大して時を経ていない頃の日本人の価値観の中で、少年たちが巻き起こした数々の事件や生き様を通して、歴史書ではわからない江戸時代の実相を映し出しています。

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江戸時代、若者たちを主体とした「村芝居」は、それ自体が民族儀礼の延長に見せて、実は芸人たちとのネットワークを生み、「村おこし」のイベントとして村経済を活性化していました。即ち、当時の経済流通を、若者の好奇心と行動力が担っていたわけです。
高齢化と過疎化が進む地方都市の活性化が大きな課題となった現代日本社会で、このような「若者の好奇心に基づく経済儀式」を考えてみるのもひとつの考え方なのかもしれません。

(本文と写真は関係ありません)
posted by シモン at 05:00| 東京 ☀| Comment(21) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
快晴となつた、甲府市内の朝ぼらけ。
けふの「五分でわかるとと姉ちゃん」とと母(木村演)が死に、とと(高畑演)は少しだけ白髪を生やす。

という、回でした。
サテ江戸の少年は、河童伝説の元になつたと思われる、捨て子の集団が水辺で暮らしていました。
明治以前の市井の少年を伝える記録は、あまり多くはありません。歴史の闇に埋没してしまったかのようです。
Posted by 百足衆 at 2016年09月25日 05:54
えどぉーん しょね!しょね!
寝小便。菅原君!

江戸時代の少年愛を扱った、漫画が雑誌「ガロ」に掲載されていた覚えがあります。
何故か、普通の男女の恋愛よりも、男男の恋愛の方が、高貴なものとして描かれているのです、いたのです。

尚私は男色には、一切興味は、ありません。ありません。
ないのです。ないのです。
Posted by 藤原 at 2016年09月25日 06:45
おはようさんです。

宗匠の言う
「男×男の恋愛の方が高貴」
てのは
「『実らせる』ことが不可能だからこそ、その愛は純粋である」
て言う発想です。男女の恋愛は

「結婚→家を成す→子供を作る」

と言う「実り」が有るがモーホには其は出来ない。
「従ってその愛その物が到達点で純粋である」
て事だそうです。
「子供が居るから、お家の為に…」
好きでも無いのに別れられんてのがモーホには無いっちゅう分けやね。

んなこたぁ無いワナwww
「差別的な偏見や」
と言われても構わん。アレは只の“異常な”性欲やwww
Posted by 愛國赤旗党総帥 at 2016年09月25日 07:16
シモンさん

私が愛読したのは、「綿の国星」です。
Posted by 菅原 at 2016年09月25日 08:31
衆道という単語を初めて目にしたのは、「犬神家の一族」でした。
Posted by ヨット at 2016年09月25日 08:32
そうそう、司馬の小説でチラと出てたけど「茶道」や「華道」同様に「衆道」もなっていてアレに「宗匠」だか「家元」みたいなのも居たらしい。あんなのにも「入門」やとか「免許皆伝」みたいなのが在ったってことやね。
Posted by 愛國赤旗党総帥 at 2016年09月25日 10:04
江戸の少年A しじみを売るが悪者に突き飛ばされ泣く。その悪者を金さんがぶっ飛ばす。
江戸の少年B 美人の姉とともに仇討ちをして、助さんに助太刀してもらう。
江戸の少年C 水戸黄門を汚いジジイと罵るがあとで正体がわかり土下座する。(職業は馬子)
Posted by デハ at 2016年09月25日 18:15
菅原さん
リチャードクレイダーマンの弾く綿の国星のテーマが好きです。
Posted by デハ at 2016年09月25日 18:15
菅原さん
私は、リチャードクレイダーマン(なんでフランス人なのにリシャールじゃないのかな?)の「綿の国星のテーマ」が好きです。
Posted by デハ at 2016年09月25日 19:08
家同士の付き合いである婚姻に対して、衆道は身分の垣根を超えた個人同士の付き合いになるから、精神的にも固い絆で結ばれるのでしょうね。
ただ、その絆が固すぎる余り、ひとたび二人の間に亀裂が生じると、異性愛の恋愛トラブルよりも凄惨な結果を招いたものです

Posted by 田舎帝王 at 2016年09月26日 00:24
百足衆さん

いつも「とと姉ちゃん」のレビューをありがとうございます。
風俗史のような、当時の人にとっては当たり前すぎて記録に残らないような日常生活を発掘するのは並大抵の努力ではないと想像いたします。
Posted by シモン at 2016年09月26日 05:00
藤原さん

とても良い詩ですね。
Posted by シモン at 2016年09月26日 05:00
総帥さん

「純粋な恋愛」というのは、「純粋なアルコール好き」というのとほぼ同じような気がします。

その行為そのものを「純粋だ」と褒め称えるのとは別、でしょうね。
Posted by シモン at 2016年09月26日 05:02
菅原さん

そうでしたっけ。
貴殿の本棚に、風と木の詩も入っていた記憶が・・・。
Posted by シモン at 2016年09月26日 05:03
ヨットさん

スケ清のビジュアルのインパクトと同時にトラウマな言葉ですね。
Posted by シモン at 2016年09月26日 05:03
デハさん

しじみ売りは、無収入の少年が日銭を稼ぐもっとも効率的な手段だったそうですね。
Posted by シモン at 2016年09月26日 05:05
田舎帝王さん

武家社会において、家と家の絆と家系の存続を目的とする結婚と、恋愛というのはそもそも別の存在だったかもしれませんね。
その点庶民は気が楽です。
Posted by シモン at 2016年09月26日 05:06
昨日の真田虫…たとた15%!ショッキング

草刈正雄最終回なのに…青ざめ

草刈正雄ロスで、来週は一桁確定ですね…泣き笑い
Posted by 花…燃やバニー at 2016年09月26日 12:09
晴れとなつた、甲府市内の昼。
けふの「とと姉ちゃん」花山安治(唐沢寿明演)が、心筋梗塞を発病する。

という、回でした。
サテ花…燃えるさん。 お主の推薦する去年のなんとか燃ゆは、とっくに何回も視聴率一桁でしたナ。お仲間が、欲しいのですかナ。
Posted by 百足衆 at 2016年09月26日 12:26
江戸時代には少年法というものはありませんでしたが、14歳未満で死罪になる事はなかったそうです。

そう言えば、小学四年生が同級生を殴り、死に追いやった事件が最近有りました。
Posted by 無名X at 2016年09月26日 20:26
無名Xさん

>そう言えば、小学四年生が同級生を殴り、死に追いやった事件が最近有りました。

昔よりも、子供の腕力は向上しているのに比べて制御する能力は低下していることの象徴的な事件でしたね。
Posted by シモン at 2016年09月27日 04:29
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