2018年10月26日

算学奇人伝

架空の江戸時代の和算家を主人公にした、永井義男さんの1997年の著作です。

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数学者、より一般に自然科学の研究者には、奇人変人が多くいます。このblogにお越しの方ならば、そのことは熟知されているのではないかと思いますが、世の中の常識を覆し、一見解決不能な問題を解くのは往々にしてこういった奇人変人です。但し逆は真ならずで、奇人変人ならば必ず画期的な仕事をするとは限りません。

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「算学奇人伝」は、以前「江戸の糞尿学」でその著作をご紹介した永井義男さんの筆による1997年の小説です。
江戸時代の和算家、所謂数学者を主人公にした小説はあまり多くないと思います。加賀藩の経理担当の藩士を主題にした磯田道史さんの著書「武士の家計簿」は堺雅人さん主演の映画にもなりましたが、あくまでも会計学であって、純粋数学の算術家を取り扱ったものではありません。

江戸時代の日本の数学は「和算」として独特な発展を遂げました。その成果は、1627年に吉田光由が「塵劫記(じんこうき)」に編纂し、九九や幾何学の面積の求め方等を集大成しました。言わば日本版「ユークリッド原論」のようなものです。明治以降の数学書で言えば、高木貞治著「解析概論」でしょうか。とにかく、関孝和や儒学者の貝原益軒をはじめ江戸時代の理系の学者は、塵劫記を入門書として読み漁ったのです。

この小説に登場する主人公・吉井長七は、千住の青物問屋万徳屋の長男ですが、幼少時から算学に関心を抱きすぎて家督を弟に譲り、算学三昧の悠々自適の日々を送る・・・という、ある意味羨ましい人物です。
京都にも、私の友人で八百屋さんの家に生まれて現在編微分方程式論の教授をしている人がいますが、八百屋さんは数学に向いた脳構造の人が多いのかもしれません。

そんな吉井長七は、千住で行われているサイコロ賭博が確率論的に絶対に勝てないことを見つけたり、図形問題を解いて宝探しをするという、ちょっと「ダヴィンチ・コード」に近いことをやったりと、その算術知識を活用して数々(といっても本書では3つ)の課題を解決する、という、日頃地味に思われている数学方面の人間にとっては胸のすくような面白い筋書きになっています。

といっても、本書に数学的な厳密さや説明の論理性を求めることは酷というもので、数式の羅列だけでは数学方面の人間はともかく多くの読者にとって退屈そのものの本になってしまうので、その点を端折っているのは正着と言えます。なによりこの本は数学指南の本ではなく、算術という刀を持った秋山小兵衛@剣客商売みたいな「時代小説」なので、読者は数学の香りを楽しめば十分です。

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それにしても、数学の難しい課題を数式を殆ど使わず説明してしまう啓蒙書を書いている野崎昭弘先生は、まさに「数学啓蒙の天才」です。ただし、こちらは小説ではありません。

(本文と写真は関係ありません)
posted by シモン at 05:00| 東京 ☁| Comment(30) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
乾坤一擲、一番槍。
数学奇人は、甲斐の武者が討ち取ったり。
Posted by 百足衆 at 2018年10月26日 05:02
最近は数学をモチーフにした小説を見かけるようになりました
数ある数学系小説の中で読んでいるのは「浜村渚の計算ノート」シリーズです
数学を学ぶ事を禁止された日本で数学の復権を目指すテロリスト集団「黒い三角定規」と戦うのは数学以外はからっきし駄目な女の子「浜村渚」
浜村渚の計算ノート以外にも数学小説が出ているので、秋の夜長のお供に一冊手に取って秋の夜長を過ごしてみるのもいいかもしませんね
Posted by 田舎帝王 at 2018年10月26日 05:26
田舎帝王さん

私も高校時代名古屋で、父の家も名古屋にあるので嗜好が合いますね。
浜村渚の計算ノートは私も愛読しています。
Posted by 菅原 at 2018年10月26日 05:51
算学奇人伝って菅原さんが著した藤原さんの伝記のタイトルかと思ったよ。
Posted by デハ at 2018年10月26日 06:17
はんーっ しん! しん!
新幹線。どぴゅ!(駅を飛ばす)

百足衆様、百足衆様、
4連敗の後の2連勝、

おめでとう、ございます。
お目出とう、御座います。

皆の衆!今宵は寿ぎの準備じゃ!
今日は菅原君の顔を見ずに、昼食を朗々と、食べる!

ことっほぎゃっ!

デハ様、デハ様、
エリエリラマサバクダニ。
いまいち、寿げない、私の気持ちは、

藤原君が、ロッテに指名されてしまったからです。
藤原君が、ロッテデパートに拉致されたからです。

かなっ しいっ!
悲なっ しいっ!

ほげら!
Posted by 藤原 at 2018年10月26日 06:32
地味だった卓球がガッキー+瑛太で映画化されたみたいに、計算ノートも映像化されないかな
Posted by 燈台森 at 2018年10月26日 06:41
晴れ時々曇りとなつた、甲府市内の朝。
けふの「満腹」遂に、萬(長谷川演)の元に召集令状が届くが、召集の日に下痢をして、兵役を免れる。

という、回でした。
サテ算学奇人伝にせよ、満腹の萬(後の、安藤百福)にせよ、平安京数学コンビにせよ、変人だけど理論的に考えるとか理系とか発明家の片鱗を見せてゐるので、数学や発明をしても、納得できる。
だが、前の朝のドラマ「半分青い」では、変人なだけの主人公が、いきなり扇風機を発明したから物語がおかしくなった。

変人でも、ある分野に才能の片鱗を見せているのなら、納得できる。
半分青いのように、四六時中、率率と恋愛のことしか考えていない主人公に、才能のへったくれも糞もない。

此れは、立憲民主党のやうな野党にも云える事である。四六時中、アベガアベガとアベ叩きのことしか考えていない政党に、日本の政治は任せられる筈も、無い。
Posted by 百足衆 at 2018年10月26日 07:56
アベ自称首相の所信表明、サイテー。


山尾さんガンバレ!慢心すぎなアベに鉄槌を!
Posted by 山尾ファン at 2018年10月26日 09:45
晴れとなつた、甲府市内の午前中。

サテ恒例の、昼食予報、昨日の好調を、維持できるか。

GATTOさんは愛妻弁当。
デハサン達はステーキ丼。
ラーサンはラーメン。
シモンさんはコンビニおにぎり。
田舎帝王さんは数寄屋。
燈台森さんはチキンソテー。
藤原さんは生姜焼き。
菅原君はハンバーグ。

と、予想。

サテ山尾フアンさん。出て行きなさい。
Posted by 百足衆 at 2018年10月26日 10:31
醤油味のラーメンでした。
Posted by ラー at 2018年10月26日 12:39
今日は、金曜日なのでステーキランチ千円也でした

数学者のような、神秘的で理知的な世界には憧れを感じますね。
テレビに出ている学者さんたちには魅力を感じません。
Posted by 谷汲線デロ一形 at 2018年10月26日 13:16
鶏の唐揚げ定食でした。
Posted by GATTO at 2018年10月26日 13:32
百足衆殿

おいらもGATTO殿と同じく、鶏唐揚!
なので、チキンソテーで正解としましょう!

デロ殿が言ってる通り、テレビに出て、自分の専門範囲外の政治や経済で偉そうなこと言ってる自称学者は大キライ!
なんとかママとか、脳タリン科学者とかね
Posted by 燈台森 at 2018年10月26日 14:42
安定のコンビニおにぎり

熟成すじこ醤油漬け
わさび海苔

でした
Posted by シモン at 2018年10月26日 16:52
日没となつた、甲府市内のタベ。
サテけふの、戦果発表。けふも80%の、驚異的な的中率と、なつた。

唯一、難攻不落のGATTOさんを除き、全問正解である。
我乍ら、亀の甲より、齢の功。と、しみじみ思う。

明日も、この好調を、持続して行きたい。
Posted by 百足衆 at 2018年10月26日 17:10
百足衆さん

カップ焼きそばでした。
Posted by 菅原 at 2018年10月26日 17:40
4種フライ定食でした
Posted by デハ at 2018年10月26日 22:55
私は鳩山由紀夫さんの正体を知るまで東大卒の人は無条件で尊敬し、偉い人だと思っていました。
私が口をきいたことのある東大卒の人はわずか5人にすぎず、シモン様、郡山市長、元福島県知事、根本厚労相その他1名だけです。郡山市の副市長も東大卒ですが、いまだ口をきいたことがありません。京大卒は上京の折藤原さんに逃亡されたため高校の時の英語の先生しかいません。
東大、京大、上智、ICUの卒業生が偉い人賢い人だとずっと思っていました。
Posted by デハ at 2018年10月26日 22:59
私は子供のころから、片親や勉強のできない人や貧乏人と遊ぶことを禁じられていました。ただし貧乏でも成績がトップクラスであれば例外でした。母親が水商売とかもダメでした。親が有名大学卒とか一流企業勤務とか、教員、公務員、大学教員、旧華族旧士族、豪農、豪商の子弟と遊ぶことが強く推奨されていました。祖母は共立女子大学(の前身)出身のため、文部大臣や首相を輩出した鳩山一族を尊敬しており、私もはじめそうでした。いや、今でも亡くなった邦夫先生のことは尊敬しています。しかしその兄に裏切られ、亡くなった祖母まで冒涜されたと感じ、さらに春子先生、薫先生、一郎先生、威一郎先生まで冒涜されたと感じ、激しく憤っています。東大の価値も大きく下げてしまいました。
また、邦夫先生のライバルだった舛添知事も東大の価値を貶めた張本人です。由紀夫さんと舛添さんのせいで、私が憧れ敬っていた東大の価値が下がってしまったのです。せめてもの救いはシモン様の存在です。シモン様ありがとうございます。
Posted by デハ at 2018年10月26日 23:07
私は東大京大上智ICUの卒業生だけが一等国民だとずっと思っていました。私大卒や地方大学出身はコンプレックスの原因と思っていました。
以前はプラス早慶でしたが両校の相次ぐ不祥事により価値のない大学だと思うようになりました。しかし東大京大上智ICUは不祥事が起きてもそういう気持ちにはなれませんでした。選ばれたものが行く特別なところで、そこに選ばれた時点で神に一歩近づいた人間なのだと思っていました。私は、東大や京大やICU出身者を除くと血統に基づかない権威は認めない人間なのですが、とにかく東大がすごくてすごくて仕方ないと思っていました。根本厚労相のことも神様扱いしていました。私は頭が悪く勉強ができなかったため、東大京大どころか地方の未区立大学にすら入れませんでした。今度シモン様か根本大臣にお会いしたら爪のアカを煎じて飲ましてもらい来世では東大に行きたい。
Posted by デハ at 2018年10月26日 23:13
デハさん、こんばんは。

私は、父親の横槍で、自分の希望しない高校(メチャクチャ低レベル・低進学校)の受験を無理強いされました。あれさえなかったら、といつも思います。

とはいえ、今は幸せに暮らしています。
また、社会人になってから、自分よりも高偏差値の学校を出ていても頭の悪い人、逆に、自分よりも低学歴でも優秀で、仕事のできる人も見てきました。
まあ、高校卒業後は、大学も、職場も、家も、配偶者も、自分の実力の範囲内で、自分の選んだもの・人を選びました。十代は後悔ばかりだったのに比べれば、二十代以降は良かったと思っています。

やっぱり、自分の人生は自分で選び、自分で決めないとね。最低最悪の十代でしたが、授業料だったと思うことにしています。
Posted by GATTO at 2018年10月27日 01:10
雨となつた、甲府市内の朝。
けふの「満腹」満(安藤演)たちの疎開先に、グラマンが機銃掃射する。

という、回でした。
サテ昨日の的中率、田舎帝王さんと、デハサンの事後申告を受けて、65%に修正します。依然、高率に変わりは、無い。

サテデハサンもGATTOさんも、学歴を信じるも、佳し。信じないも、佳し。其々の人生、豊かに生きれば、其れで佳い。

だが慶応大学は、困る。安田という人質になつた男の、言行を見れば、この男の本名がオマルだかコマルだかというのも、わかる気がする。
Posted by 百足衆 at 2018年10月27日 09:08
雨となつた、甲府市内の朝。
けふの「満腹」満(安藤演)たちの疎開先に、グラマンが機銃掃射する。

という、回でした。
サテ昨日の的中率、田舎帝王さんと、デハサンの事後申告を受けて、65%に修正します。依然、高率に変わりは、無い。

サテデハサンもGATTOさんも、学歴を信じるも、佳し。信じないも、佳し。其々の人生、豊かに生きれば、其れで佳い。

だが慶応大学は、困る。安田という人質になつた男の、言行を見れば、この男の本名がオマルだかコマルだかというのも、わかる気がするナ。
Posted by 百足衆 at 2018年10月27日 09:15
百足衆先生、おはようございます。

まあ、今は、幸せに暮らしています。社会に出てから、高学歴の低脳・無能も、低学歴の賢い人・有能な人も見ましたので、現在では、ブランドのようなものと考えています。

ちなみに、私が一番学歴コンプレックスを感じた相手は音大卒に対してでした。
Posted by GATTO at 2018年10月27日 09:19
今日は百足衆殿の昼食予報がないですな

味噌ラーメン食べました
Posted by 燈台森 at 2018年10月27日 13:36
デハさん

またいつかお会いしましょう。

総帥さんにも戻って来て欲しいですね。
Posted by シモン at 2018年10月27日 14:37
夕刻となつた、甲府市内のタベ。
けふは、11時に病院に行き、インフルエンザの予防接種を受けるのに、1時間を費やした為、恒例の昼食予報は、お休みさせて頂きました。
愉しみにしている皆さんには、前触れ無くご不便をお掛けしました。

サテGATTOさん。音大生にコンプレクスを抱く、と云う貴殿は、音楽家なのですナ。どんな楽器を、演奏されますか。大正琴も、佳い。
Posted by 百足衆 at 2018年10月27日 16:45
百足衆先生、よくぞ聞いてくださいました!以前、アマチュア・オーケストラでコントラバスを弾いておりました。

しかし、しかしです。そのオーケストラの副団長兼音楽監督というのが、ものすごく差別的な奴でした。本人は、桐朋出で、アメリカにも留学していた立派なクラリネット奏者なのですが、音大出とそうでない人、学校のブラス・バンド経験者とそうでない人、管楽器と弦楽器、でものすごい差別をする人でした。「合理的な区別」ではありません。音大出・ブラス経験者・管楽器奏者に対してはチヤホヤ、素人の弦楽器奏者に対しては意見も聞かない。
団内の会議で決まったはずのことも、私なんぞが発案したことだと、ハナからルールを守る気もないのです。
それに対し、私が正論で文句をつけると「わかってくれない」などとほざく。わからないのは、アンタが話し合いを拒否するからだ!アンタの怠慢だ!!・・・ハアハア(激して息切れ/笑)。

まあ、私が音大出であれば、意見を聞いてくれたかも知れません。これが、私の音大出に対するコンプレックスです。
Posted by GATTO at 2018年10月27日 18:49
夜となつた、甲府市内の夜。

サテGATTOさん。そんな男のために、GATTOさんが意志を曲げてまで音大学を卒業する必要は勿論、そんな男と仲良くする必要すら、ない。

人生は、短い。困難を乗り越えても付き合っていけるだけの価値のある人間とだけ、付き合うように、しなさい。
Posted by 百足衆 at 2018年10月27日 20:24
百足衆先生、ありがとうございます。

結局、他の人たちのいる前で、正論でやっつけました。基本的には、音大出よりも素人、管楽器よりも弦楽器の方が多数派なので、「副団長、おかしいよ」という声が高く、副団長は居心地が悪くなり、数ヶ月後には退団してくれました。ホッとはしましたが、逃げられたことは残念でした。
Posted by GATTO at 2018年10月27日 23:16
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