2019年03月31日

悪魔の詩訳者殺人事件

1991年、サルマン・ラシュディの小説『悪魔の詩』を邦訳した筑波大学の五十嵐助教授が刺殺された事件です。

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今日で2018年度が終了します。新しい21019年度は、ちょうどキリの良い月曜日から始まります。
新年度も、元気に過ごして行きましょう。

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2018年度を締めくくる記事が殺人事件の紹介ということが適切か否かと問われると、何とも言いがたいのですが、時間の経過と共に記憶から薄れていく平成時代初期の事件の備忘録と考えていただければ幸甚です。

「悪魔の詩訳者殺人事件」は、1991年7月に筑波大学のキャンパスで起きた殺人事件です。
そもそも衆人環視、比較的知り合いのコミュニティである大学構内で殺人事件というものが発生する確率はかなり低いと思われます。もし起きても「名探偵コナン」のような、探偵ミステリーの世界に限られていると思われがちです。

そもそもこの殺人事件の動機となった(と思われる)「悪魔の詩」と言う文学作品は、どういった内容なのでしょうか。

「悪魔の詩:は、インド出身のイギリス人、サルマン・ラシュディによって1988年に発表された小説です。
内容は、イスラム教の開祖・ムハンマドの生涯を題材に書いたものですが、イスラム教徒にとっては正視に堪えないような冒涜に溢れた内容で、発刊後すぐに多くのイスラム教徒に抗議されました。そしてシーア派イスラム教のメッカであるイランのホメイニ師によって、著者のラシュディ氏、そしてその出版に関った者すべての人間に対する「死刑宣告」が行われたのです。

これは由々しき問題でした。世界の他の宗教、たとえばローマ法王やダライラマのような人が、その教義に反する内容の本を出版したからと言って死刑宣告を出すことは、まずないでしょう。ですが、「イスラムならやりかねない」と全世界中に思わしめたことが強烈でした。ほとんどのイスラム教徒の人は穏健派ですが、ごく少数の過激派がイスラム教徒で、しかも実行力が半端ではないことは広く知られています。

筑波大学の五十嵐助教授は、1990年にこの小説を邦訳しています。なにもわざわざそんな火中の栗を拾わなくても、と周囲の人は思ったそうですが、おそらく五十嵐教授の知的欲求が、生命への危険への恐怖を上回ったのでしょう。
そして1991年7月12日。刺殺された五十嵐助教授の遺体が筑波キャンパスの人文・社会学系棟のエレベーターホールで発見されたのでした。容疑者は居ましたが既に出国しており、そのまま迷宮入りとなりました。

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こういった騒動を巻き起こした張本人のホメイニ師は、五十嵐助教授が殺される1991年の2年前、1989年に既に心臓発作で他界しています。
一方、「悪魔の詩」の著者のラシュディ氏は、現在も米国で健在だそうです。

(本文と写真は関係ありません)
posted by シモン at 05:00| 東京 ☀| Comment(23) | 事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
乾坤一擲、一番槍。
サルマンは、甲斐の武者が討ち取ったり。
Posted by 百足衆 at 2019年03月31日 05:23
当時、メディア報道は「ラシュディ」「ルシュディ」表記が混在し、統一して欲しいなぁと思っていました。
子供の頃の漫画・テレビ番組には、怪しい中国人・インド人・エジプト人・マサイ族・インディアン・カーボーイ・エスキモー等のキャラクターが出て来ましたが、イスラム系はほとんど見かけず、縁の薄いものでした。
Posted by ヨット at 2019年03月31日 08:51
藤原さん

藤原詩は、サルマン・ラシュディ氏に感化されて作ったそうですね。
Posted by 菅原 at 2019年03月31日 10:23
カツカレーの予定
Posted by デハ at 2019年03月31日 11:28
晴れとなつた、甲府市内のお昼前。
けふの昼食が、発表された。塩ラーメンだ。メンマも、つく。

サテ恒例の昼食予報。
ガットセブンさんはリンガーハット。
デハサンはカツカレー。
デロサンは中華蕎麦。
ラーサンはラーメン。
シモンさんは炒飯。
田舎帝王さんはスペアリブ。
燈台森さんは鶏唐揚げ定食。
藤原さんはブイヤベース。
菅原君はメザシ。

と、予報。
Posted by 百足衆 at 2019年03月31日 11:33
イスラムと半島はあとでややこしいからはじめから使わないのが得策
Posted by デハ  at 2019年03月31日 12:25
ヨットさん

イスラム教徒が出てきた漫画といえば、「ザ・シェフ」の記念すべき第一回に登場したバミール王国の大臣ですね。

大臣「リカワオ、リカワオ」
通訳「だ・・・大臣がおかわりをといってます」

イスラムの言葉は、難解ですね。
Posted by シモン at 2019年03月31日 12:52
こんにちは〜

今日のお昼は、羊肉串(羊肉の焼き鳥版)でした。
Posted by GATTO at 2019年03月31日 13:02
ケンタッキーでした♪
Posted by 燈台森 at 2019年03月31日 14:21
昼食報告忘れてました

昔ながらの中華そば 塩ラーメンでした
Posted by シモン at 2019年03月31日 16:08
今日は静岡に足を伸ばして、
昼食は「さわやか」のげんこつハンバーグでした。
Posted by 谷汲線デロ一形 at 2019年03月31日 16:30
百足衆様、

あさりラーメンでした♪

デハ様

白虎隊墓守直筆御朱印帳・・・スタンプラリーと誤解した客が多くて往生されてるとか。

ほんと、ここ数年、日本全国「観光公害」だと思います><
Posted by ラー at 2019年03月31日 16:57
こんばんは。

百足衆先生、昼食予報の結果はいかがでしたか?

ところで、このブログの名前が、いよいよ「歴史研究会」になるようですよ。
Posted by GATTO at 2019年04月01日 00:55
深夜となつた、甲府市内の深夜。

サテGATTOさん。時既に遅し。
爺、死の床に就かんとす。
Posted by 百足衆 at 2019年04月01日 02:13
晴れを予感させる、甲府市内の夜明け前。
けふから「夏空が、スタートします。
そして、5月からの、新元号も発表されます。
後程詳報しますので、お愉しみに。

サテ昨日の「韋駄天」韋駄天(勘九郎演)の友人、ラザロ(フレディ演)が、熱射病で死んでいたと、知る。
という、回でした。

サテガットセブンさん。爺を担ごうとしても、駄目ですゾ。今日は四月馬鹿の日。平成最後の、エイプルリフールです。
Posted by 百足衆 at 2019年04月01日 05:43
晴れとなつた、甲府市内の朝。
昨日の、戦果発表。
燈台森さんは、鶏唐揚げの予想に対し、ケンタッキーなので、大破。
よって、58%の高的中率と、なつた。
遂に2018年度は、ガット艦撃沈ならず。
けふこそ勝利の、雄たけびを上げたい。
Posted by 百足衆 at 2019年04月01日 06:17
おはようございます。

百足衆先生、
>爺を担ごうとしても、駄目ですゾ。
そいつはどうかな?まあ、先生は、1年中エイプリルフールのお方ですからね。
Posted by GATTO at 2019年04月01日 07:33
曇天となつた、甲府市内の午後。

サテ令和。
万葉集を、早速通読開始した。

けふは、令和発表を優先した為、昼食予報は、ありませんでした。
楽しみにしていた皆さん、心から、お詫びします。
Posted by 百足衆 at 2019年04月01日 14:34
百足衆さん、皆さん

今日から「微ゑろblog 2.0」は。「レキシ研究会」に改名しました。

よろしくお願いします
Posted by シモン at 2019年04月01日 17:09
体裁が変わってしまい戸惑っています
Posted by デハ at 2019年04月01日 17:48
デハさん

明日は元に戻ります・・・多分。
Posted by シモン at 2019年04月01日 18:16
深夜となつた、甲府市内の夜。

サテシモンさん。今気がついたが、ホームページの名称を、レキシ研究会に、変えたのですな。
漸く、爺の本願、叶えり。
サレド、「レキシ」は、「歴史」の方が、佳い。
Posted by 百足衆 at 2019年04月01日 21:52
来年のエイプリルフールには、「歴史研究会」にしてもらえるかも知れませんね。
Posted by GATTO at 2019年04月01日 23:15
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